何をテーマに写真の創作活動をするのかは、大変難しい事だと思います。
それは”自分を知る”事だからです。
人によっては悩むことなく自身の中にある個性を理解し、受けとめ、テーマを持てるかもしれません。
ですが僕はかなり時間が掛かりました。
いえ、掛かったと言うよりは、掛ける必要があったとする方が正しいです。
これまでは、あれこれと勘違いしたテーマを無理やり決めつけては「違うなぁ」を繰り返し、結局自分が何を撮りたくて毎日カメラを握るのかもわからないまま、長い年月を過ごしてきたわけです。
これに変化が起きたのは、とある辛い時期に”写真を辞めよう”とした時のことです。
常にカメラを身につけてスナップし続けていた自分が、手ぶらで歩くというのは拷問に等しく、目を開けているだけで苦しい日々でした。
今思えば、そんな自傷行為をよくもしたものだと(笑)
そんな中で最も辛いポイントというのは、やはり撮りたいものを見つけてしまった時です。
それを”撮らない”という行為に対する罪悪感に襲われては、幾度となく胸を痛めました。
ですが代償として次第に気がつくこともあったのです。
それは、いったい自分は”何を観ているのか”ということ。
所謂、『失って初めて気付く』ってやつですね。
べつに今日は暗い話をするつもりは無く、当然現在は妻のおかげもあって写真を辞めずに済んでいる(助かった)わけですがね(笑)
この一件以来、二度とこのような危険行為は辞めようと心に誓いました。
さて、この経験から初めて気が付いた”自分”という存在。
そして個性。
これらを遠目で眺めて初めて見つけられた、実に単純な事。
ここで一句。
『オバケだよ テーマというのは オバケだよ』
自分にはこれといったテーマがないと悩まれている方。
そんなの目に見えないオバケみたいなもんですから、気にすることないです(笑)
ただ写真を撮って、カメラとの楽しい時間を過ごすことが幸せなんです。
テーマなんてその辺にウジャウジャ転がってますから、ちゃんと撮った写真を見返せば写ってます(笑)
オーゼキコーキ
【本日の一枚】