200years:

-ozekikoki-

祖父母の手



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X-pro2 + ZeissPlanar 50mm F1.4 ZS

 

祖父の身体が不自由になってしまってから8年程が経ち、東京にいる僕に何かしてあげられる事は無いか、と当時から考えていました。

 

現在は数年置きに姿を見せる僕の顔は覚えていても、名前がすぐに出てこないようで、少しずつ時が流れているのだと感じます。

 

当時、まだ祖父が倒れてすぐの頃、お見舞いに行った僕が被っていた帽子にとても興味を持ってくれたこともあり、何かしてあげたかった僕はせっかくだからとプレゼントしたことは、まだ記憶に新しく・・・

(どうせ使わなくなるから持って帰れと、多くの親戚から言われたのを押し切って置いてきたんですけどね) 

 

しかし今日となってはその事も忘れているようであります。

とは言え本人の根本的な意志や趣向は変わらないもので、今も尚この帽子を愛用してくれており、まだ買ってから日が浅くパリッとしていた帽子が、穏やかにやれているところを見ると大変嬉しく思う次第です。


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今の僕には写真があります。

自身の願いや想いのようなものを込めることが唯一可能な”必殺技”であります。

あ、いや、”奥義”と言った方がこの場合は適していますかな(笑)

 

たくさん撮りためた写真を見返しては、暖かい気持ちになりますので、やはりこの”遺すという技”は素晴らしい事だと再認識致しました。

 

ブックレットなどへしっかり製本してプレゼントしようと思いますが、こんなに贅沢な作業は他に中々ございませんよ。

ぜひ皆さんも大切な人の普通の今を撮って遺しては如何でしょうか。

これは財産です。

 

オーゼキコーキ

 

【本日の一枚】

 
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 X-pro2 + ZeissPlanar 50mm F1.4 ZS