GR DIGITAL IV
【人生に消しゴム無し】
この言葉は僕の二十歳の誕生日に、実家から届いた荷物の中の一番上の、小さな額縁の中に込められていた言葉です。
それから何度か引っ越しもしましたが、常にトイレの中の壁に10年間飾ってきました。
今日だって明日だって、便座に腰を下ろして右を向けばそこに在ります。
もしも消しゴムが存在するならば、そりゃ消し去りたい出来事は1つや2つ、いや3つ・・・。
でも消せないからこその現在であり、僕であります。
消してしまっては、その部分は黒ツブレ、または白トビなのですから、階調も無く、年老いてから美しい陰翳を帯びた人間になれないことでしょう。
と、若僧ながらに想う20代最後の夜。
10代の終わりから20代のすべてを共に過ごしてきた妻が、今日も家で待っています。
さてと、帰るか(笑)
オーゼキコーキ
【本日の一枚】
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