RX100
皆さんは”チンピング”してますか?
ご存じの方もいらっしゃるでしょうけど『チンピング (chimping)』というのは、デジタルカメラにおいて、一枚撮ってはモニターで確認し、また一枚撮っては確認し、を繰り返す”スマートではない行動”をこのように呼ぶそうです。
これは厄介なもので、一度癖付いてしまうとなかなか抜けないのです。
実際に僕もチンピングマンだった時期があります。
絶対にピントが合っていて、且つ手ブレするはず無いSSで撮ったにも関わらず、ついつい再生ボタンに指が飛んでいってしまうんですよね(笑)
幸いにして今はその症状も完治し、本来在るべき撮影テンポを取り戻せていますがね。
この症状への一番の特効薬は、しばらくフィルムカメラを使うことだったりします。
確認のしようが無いので、最初は妙に手持ち無沙汰な感覚に陥りますが、時間と共にそんな禁断症状は薄れていきます。
さて、こんな”チンピング”を引き起こす諸悪の根源は『背面モニター』であります。
Leicaの某M以外にも、もっと多くの”モニター非搭載”カメラが登場すれば良いのですが、昨今の機能てんこ盛りデジカメでは、そんな事出来ないのでありましょう。
1ボタン1機能のカメラは見なくなりましたねぇ。
ユーザーからの様々なリクエストに応えて、有り余る機能を盛り込んでいる最新のデジカメ達は、メニュー操作を無くしては存在意義を保てないのでしょうか。
かの有名な『いすゞ117クーペ』のように、7連メーターを軍艦部や背面にズラリと搭載させたカメラが一台くらい登場してくれませんかね(笑)
お高いんでしょうけど、買う人はきっと居ますよ~(ここに)
えー、話は脱線しましたが、今日ぶらりと立ち寄った中古カメラ兼プリント屋での一幕が気にかかり、少し書いてみようと思った次第です。
なのでここからが本題であります。
何かと言いますと、ミニスカートの若いギャルが、そのお店でデジカメプリントをしたらしいのですが、どうやらその出来上がりにとっても不満のようで・・・
店員さんに「これってワザと明るくしてるんですよね?私が撮ったのと違うんですけど」と、ついつい応援したくなるほどガミガミ食らいついていたのです(笑)
僕は心の中で「いいぞいいぞ!写真を始めると一度は通る”このプリントはモニターと違いますよ問題”だ!!」と、棚に並べられた中古カメラを眺めながら、しばし聞き耳を立てていました。
店員「ん~、いや、特に補正とかはかけていないんで、元々そうだったってことですけど・・・」
ギャル「でもカメラで見たらもっと暗くて雰囲気が違いますよ?」
店員「そう言われましても、何も補正してないんで・・・」
ギャル「でも違うんですけど何でですか?」
店員「まぁパソコンとかテレビとか、画像を観るモニターによって違いはありますからね」
ギャル「いや、私はね、パソコンとか持ってないんですよ。カメラのモニターでしか写真を観れないんですよ、それと違うとなると困るんですけど!」
店員「ん~、ん~、まぁそうですねぇ~、そのモニターが必ずしもプリントと一致している訳じゃないので・・・」
ギャル「え、じゃあ私は何を見れば良いんですか?」
店員「まぁ、プリントしてみないとわかりませんよねぇ」
ギャル「え?デジカメですよ?何でですか?」
と、こんなやり取りがずっと続きました(笑)
残念ながら事の結末を見届ける時間的余裕が無く、途中で僕は店を出たのですが、一体どのように着地したのやら・・・(笑)
一つ言えるのは『彼女は間違った事を言っていない』って事です。
そりゃそうですよね。
デジカメですから、シャッターを切ってモニターに写し出された画像が、まずは一つの完成型なのですよ。
しかしこの”色のマッチング問題”というのは本当に奥が深くてややこしく、大変複雑であるのが現状です。
知れば知るほどに『めんどくさい』事を理解するので、僕なんかは一定の所で線引きした見方をするようになりましたけど、そんなのギャルには知ったこっちゃありません(笑)
感性の入力と出力がカメラの仕事なのだとすれば、現状は発展途上であり、未完成と言っても過言ではありません。
とは言え、皆さんは『ゴッホの”ひまわり”』と言われれば「あぁ、あれね」って頭に浮かびますよね?
しかし、完全にオリジナルの色彩(原画)を5500ケルビン前後の環境光下で観たことがあると言い切れる方は皆無でしょう。
トカナントカ、うんちくを垂れたところでギャルには関係ない話なのです。
「何で私が撮った写真をプリントできないのよ!」という、至ってシンプルなプンプンなのでしょう。
この問題、一体どなたが解決してくれるのでしょうかね・・・・。
さすがのオリンパスさんも、迂闊に手を出せないでしょうね。
”プリントプレビューモード”だなんて機能は、搭載しようものならコールセンターの人件費が嵩んで赤字になりそうですもんね(笑)
プリンター、インク、紙、鑑賞環境光、モニター、認識出来る色域の個人差、などなど。
数えたらキリが無いほどの条件を重ね経て一枚の写真プリントは存在します。
どなたか!!!
どうかあのギャルをお救いください!!!
完全に色の表現(再現)域はプリントより電子モニターが上であることは事実ですが、どうか今日出会ったギャルの”紙にしたい”というシンプルな想いを無駄にしないでください!
って、誰に言っているのやら、自分でもわかりませんけど。
でもやはり素直に写真という文化を楽しもうとしているギャルもボーイも、その芽を摘んでしまいたくないというのが僕の願いであります。
一応、この問題を聞かれたときに、なるべく簡潔に、そして親切に伝えられるような言葉は、写真人ならば持っておかなければいけませんね。
え?モノクロにすれば解決するですって??
それだってまたフケーでネーデスカ(笑)
オーゼキコーキ
【本日の一枚】