早いもので、数えてみると既に三ヶ月以上の時が経ちました。
実際に仕事で使用した日数としては100日を越えており、最初に導入したX-T1もカメラとしての基本的な完成度の高さから先週まで無休で撮影を支えてくれました。
そして先日の11日に、とうとう後継機のX-T2にバトンを渡し、今は予備機としてゆったりと休息中であります。
さて、今回はレビューじみた内容ではなく「実際の所FUJIFILMって仕事にはどうよ」ってな事を話そうと思います。
『FUJIFILM 仕事またはプロ』『X-T1(X-T2) 仕事』などのワードでここにたどり着く方の数が非常に多く、乗り換えを含めて検討をされている方がまだまだいらっしゃる事を肌で感じます。
まず「どうよ?」の問いに関して率直な感想を言えば「文句無しに良い」です。
あくまでも僕は動体を撮りませんので、そこは差し引いてお読み頂きたく、ここで言う”良い”とは、単純に”クオリティ”面での話となります。
更に「何に比べて良いの?」という問に対しては『1DX/5D・D4/D5』辺りとの比較と受け取っていただいて結構です。
このように大手メーカーのフラッグシップの名を挙げますと、随分とおこがましいチョウチン記事に捉えられそうですが、そんな事は全くありません。
無論、”自分のカメラは素晴らしい”などの偏った考えも持っていませんので、素直に聞いていただいて構いませんのでね(笑)
それから細々と書いても読みにくくなるだけですから、ある程度ザックリと綴ります。
■いいところ■ (X-T1&X-T2)
・ホワイトバランス
・色再現
・ノイズ処理
・階調表現
・防塵防滴
・チルト液晶
・高精細EVF
・フィルムモードの『PRO Neg H&S』
・電子シャッター(無音/無振動撮影)
・各種対応レンズの性能
・小型/軽量
・堅牢性
・FUJIFILMのブランドイメージ
ザッと思い付くのはこんなところですかね。
これらは常日頃から僕が「恩恵を受けているなー」と感じている事柄です。
単純にフルサイズのカメラと感度別で真っ向勝負した場合は、いくつかの部分で敵わないのは当然です。
しかし重要なのは常に全カットにおいて、その万全のクオリティを維持し続けることの苦労レベルの差であります。
2強メーカーのフラッグシップを凌駕する機動力と、ミラーレス故の安定したレンズ描写は、僕のようにフットワークを活かした仕事をするカメラマンにとっては抜群の相性なのです。
とにかく総合的な画質の良さ(撮って出しJPEG)は、現時点で発売されている有数のデジタルカメラの中でもトップクラスと言えます。
そして皆さん(主に仕事機材を乗り換えようとしている方)が最も気になるのは、カメラのオデコに書かれている『FUJIFILM』の文字が与えるクライアントへの印象だと思います。
結論を言えば僕の環境では”メリット”しかありません。
クライアントの中には当然カメラ好きで、フルサイズ一眼レフやドイツのレンジファインダー機を日頃から愛用されている方々が多く居ます。
そうした人の目の前で”APS-C”センサーのカメラを使うという事は、色々な意味で恐縮してしまう場面ではないでしょうか。
僕は実際にこの3ヶ月の間で5回は遭遇したシチュエーションですが、どうだったと思いますか?
この場合いくつかの決まったパターンがあるのですが、一番多いのは『撮影結果を楽しみにされる』事です。
つまりは最初から巷で良いと言われる”FUJIFILMの画質”に興味を持っておられるのです。
これはカメラに詳しい方ほど該当するパターンです。
また別のパターンはと言いますと、
「FUJIFILMを使っているカメラマンは安心する」という意見。
これは一つ目の例に通ずる事ですが、少し違う点は大手2社のブランドに対するイメージ変化です。
正直なところ僕も驚く内容を言われました。
それは、「2強メーカーを使っている人は多いけど、上手い人も下手な人も、みーんなその2社だから」という理由です。
これについてはコメントし難いですが、言われてみますとその通りです。
まぁ、カメラマンに資格もなにもありませんし、機材選びは自由ですからね・・・。
他には「それってフルサイズ?」とか「なんでFUJIFILMなの?」などです。
これに対しては「フルサイズから乗り換える人が続出なんですよー。色が格別なんです!ほら」と、リアルタイムで撮影データをお見せすれば「ほぉーなるほど!」と”必ず”なります。
さてさて、ここで先に述べた「フラッグシップと比較して」という部分に今一度触れてみます。
なぜ併用していないのにわかるのかと言いますと、現在頂いている撮影プロジェクトには僕以外のカメラマンも20名ほど参加しており、それら全てのクオリティを統一するためのチェック業務を受けているからであります。
つまり同ジャンルの撮影内容をカメラ別で閲覧するため、実用上のポテンシャルが如実にわかるのです。
カメラボディーは高級でもレンズが極めて安い物であったり、高感度ノイズに自信があるのか三脚を使用せず、且つ絞り込まずに撮る等々・・・。
『機材を軽くする=クオリティが落ちる』のがフルサイズ一眼レフの常である事がハッキリしました。
当然ながら中にはしっかりと大型の三脚とフラッグシップボディ&レンズを使用されているカメラマンもおり、大変高いクオリティで上げてくれています。
しかしかなり少数です。
まだまだ珍しいとは言え、レフ機に対して徐々にシェアを伸ばしているミラーレス型のレンズ交換式カメラは、間違いなく今後逆転してしまう事でしょう。
とても長くなりましたが、期間で言えば3ヶ月程度とは言えミッチリ使っている僕の感想は如何でしたでしょうか?
恐らくはSONYのα7やα9なども合わせて検討している方が多いはずです。
9は使ったことがありませんが、きっと気合いのみなぎった一台でしょう。
あとは好みと財布と相談して決めるのが一番かと思います。
乗り換えって、レンズも揃えなくちゃいけませんからね・・・・。
とりあえず、今後の案件や撮影内容によってはGFXの導入も視野に入れていくつもりです。
でもその前に、右手首を鍛えなくちゃいけませんけど(泣)
オーゼキコーキ
【本日の一枚】
GXR + A12 28mm F2.5