X100T
先日、知人のカメラマンから「FUJIFILMに乗り換えるべきか悩んでいる」との話をされました。
現状はCanonのフルサイズとマイクロフォーサーズを併用して仕事をしているらしいのですが、ここいらでFUJIFILMにまとめたいという願望が芽生えている模様。
僕は当然注釈付きでおススメするわけでありますが(フィルムシミュレーションの使いどころや設定の調整が必須)、どうやら踏ん切りがつかないのは別の問題らしいのです。
それはカメラマンあるあるかもしれませんが”機材指定”をするクライアントの存在です。
つまりは「Canonのカメラで撮ってね」というもの。
当然Nikonもあるでしょう(あまり聞きませんが)。
この場合にFUJIFILMだけで揃えると仕事が受けられなくなるというのです。
これは本当に当人にしかわからない難しい問題です。
僕の場合は当然CanonやNikonを使っていませんから、もし機材指定された場合は受けないことにしております。
全てではありませんが、こうしたクライアントの多くに見受けられるのは”ギャラに反映されない”という点です。
要するにカメラに特段詳しいわけではなく、「とりあえずCanonなら安心でしょ」という考えが根付いている会社があり、機種は案外なんでも良かったりします。
場合によっては初心者に毛の生えたカメラマンがKissを使っていても何も言われない、といったところでしょうか。
そのような環境下で仕事をするカメラマンの技術はピンキリで、受けるも受けないも自由ですが・・・
そこがご飯を食べていく上で難しい選択ですよね。
ここでハッキリ言っておきたいです。
FUJIFILMにするメリット。
それは、極端に言えばですが”パソコンとのニラメッコの時間を省くことができる”
これに尽きるかもしれません。
これ以外で他社に秀でているところは(細かく言えばありますが)敢て挙げるほどありません。
CanonやNikonが使いやすければ、それで仕事をするのが宜しいと思います。
むしろ操作系がガラリと変わるわけですから、とっさの時に困ることが暫く続くはずです。
そんなリスクを冒してまで乗り換える必要はないと考えます。
た・だ・し
普段からスナップも含めて写真を撮り歩くのが好きな方は一考の余地があります。
僕にとってFUJIFILMにしている利点は豊富にあり、その一つが公私混同といいますか、プライベートと仕事の割り切りがなく、一貫して自身のスタイルで居られるところです。
強いて言えばボディを分ける程度です。
例えばプライベートでX-Pro2を使い込むと「あぁ、この設定いいな」などの発想が、そのままX-T2に流用でき、FUJIFILMのフィルムシミュレーションを肌感覚で体得できるようになります。
上位機や下位機などに特にヒエラルキーを持たせていない希有なメーカーです。
これまた一概には言えませんが、1DXなどを使っている同業者に「普段はなんのカメラを使っているの?」と聞いてみると「普段は写真撮らないよ、仕事だけ」と答える方が圧倒的に多いのです。
別にプロはカメラ好きの必要はありませんが、僕はここに勝機を見出した口です。
どんなプロも最初は単純な写真をプライベートで撮って「楽しいな、面白いな」と、のめり込み始めたはずなのです。
要するに、腕の向上は仕事だけではなくプライベートあっての物だと考えています。
新たな表現方法や、自身の写真哲学と日ごろから対峙して乗り越えて、初めて仕事に反映もできるわけです。
それをFUJIFILMは叶えてくれている、というわけです。
僕の場合、ですがね(笑)
この辺でまとめますが、X-T2とレンズを揃えただけではFUJIFILMを使う意味はそんなに無いよ、ということです。
とはいえ一度FUJIFILMに手を出すと、自然に他の機種も欲しくなる病にかかるのですがね(僕だけか?)
そんな感じです。
どのメーカーも今は本当に安定した優秀な画質です。
あとは機材の耐久性や操作の信頼性ですかね。
不具合もこれまでに経験したことがありません。
防滴性能も優秀でしょうね、雨の日の外で気にしたこともありませんが、ビショビショでも何もトラブル無しです。(でも乾燥剤は機材バッグに入れましょう)
あ、ファームアップだけは一旦様子を見ましょう。
現状のFUJIFILMはソフトウェア周りの詰めが甘いですから、思いがけないトラブルの基は断ち切るように。
以上、欲しけりゃまずプライベートで買ってみそ、っていうお話でした(笑)
オーゼキコーキ
【本日の一枚】
X100T