どうもオーゼキコーキです。
今週金曜日にご紹介する”はずだった”カメラは!
Nikon coolpix P330です!
各社高級コンデジでしのぎを削る中、ついにNikonさんからも1/1.7の大型センサーと明るいレンズを搭載したハイスペック・ポケットカメラが登場しました。
と、未だ魅力的♪という紹介をしたかったのですが・・・
実際に使用し、撮影中の映像も収録し、だのに動画にする一歩手前で踏みとどまってしまいました。
というのも、同世代のライバル製品と比較した場合に「なぜこのような仕様で発売したのか・・・」と閉口してしまう部分が多く見受けられたからであります。
画質を見た場合は電子補正が掛けられているとは言え、レンズは総合的に良いレベルを保てていますし、さすがは1/1.7といった写りをしてくれます。
しかしやっぱり気になるのがハードとソフトの両面で撮影者のテンポを崩すところ。
■電源ボタンが深くてかなりしっかり押す必要がある
きっとカバンの中やポケットから出し入れする際に不用意な立ち上がりを阻止するために、強い意志を持ってボタンを押し込まないと電源が入らないようになっています。
この機種の価格帯も当時の高級コンデジと呼ばれるものの中では割と安価な部類でしたので、初心者からアマチュアまで幅広い層に合わせたのかもしれません。
しかし。
それなら側面に突起しているスライドスイッチを優しくなでるだけでピョンとストロボが飛び出すのはなぜなのか。
最初は個体差で故障か何かなのかと疑いましたが、ネット上でも同様の感想が見られ、実際に構造をよく見ても故障ではなく仕様だとわかりました。
こうなると電源ボタンのそれとは辻褄が合わず首を捻ります。
■画面の情報表示が不親切にもほどがある
どのメーカーの機種にも【DISP】ボタンという画面に表示される情報を切り替える物理ボタンが在るものですがこのP330には存在せず、切り替えるにはメニューの中に入っていかなければなりません。
しかも基本的には情報を出すか出さないかを選ぶだけとなり、撮影中は邪魔なのでOFFにすると、ダイヤルを回したときは絞りとシャッタースピードが一瞬表示されるものの感度を確認する事が出来ませんし、半押しして置きピン状態でも各数値は一切表示されず、テレ端が暗いレンズでありながらこの場合SSを確認できないのでISOをAUTOにしていてもブレてしまう事もあり頭を抱えました。
また、再生画面も撮影画面も一色単の設定のため、画像再生中も少し異なる側面の不都合を感じることになります。
これはゴミ箱ボタンをDISP兼用にするだけでも劇的に改善されるのですが、このボタンは画像を削除する用途にしか使えないので撮影画面中に押し込むといきなり保存してあるラストカットを消すかどうかを迫られてびっくりします。
というか再生画面の時はOKボタンを押すと情報表示されるので、撮影中もそうすればいいのにって思ってしまいます。
■前面のFnボタンは無いよりマシだけど頼ったら辛くなる
フォーカスが当たっていなくて恐縮ですが、グリップとレンズの中間にあるのがFnボタンです。
幾つかの機能のうち1つを割り当てることが出来ます。
1/1.7センサーと言っても被写界深度は深いのでAFはマルチモードにしておけば、あとはISOをFnにしてOK!にしたいのですが、AF性能はお世辞にも褒められません。
多点オートでは外してしまう事も多くスピードも遅いです。
ですから被写体のテクスチャーを目視してコントラストAFに優しい部分にピンを合わせるためにAF枠を1点にしたいシーンが多くありました。
ですから低感度にしたい場合はメニューに入るかFnを切り替えるかの選択が迫られます。
ちなみに露出補正は必ず背面キー右を押す必要があり、例えばAモードにしている場合は2ダイヤルのうち1つは絞り変更できるものの、もう一つは動かしても無反応であり露出補正の割り当てはできません。
他にもUIの動作が2013年では非常識と言いたくなるほど遅すぎる点などいくつかありますが、これまで様々なカメラを使ってきた中でここまでユーザーアンフレンドリーな機種は稀です。
けど!でも!しかし!(笑)
こんなことくらいで切り捨ててなるものか!こちとらカメラが好きなんじゃいっ!!!
良いところを見つけたるわっ!!
と鼻息を荒くして、オーゼキの特技『発想の転換』を発動。
そうだよね、まるで玄人向けのカメラのように思ってたけど、もしかしたらエントリー機だと思って完全AUTOで使ったらバケるかもね♪
ほら、センサーも大き目だしレンズも明るいし、夜の街をワイドにスナップしていく用途としては優れてるんじゃないの!?
と、まるで良い事を思いついてルンルン気分の少年のように日が暮れるのを待ちました。
そしていざ夜の街へ。
AFあわんのかーーーーーーーーーい(笑)
迷い続けて結果あきらめるんかーーーーい(涙)
心が折れた瞬間でした。
それでもネット上のユーザーさんの中には綺麗な写真を撮っている方もいるので、きっと僕の腕が及ばなかった部分もあると思います。
だけどもし僕が開発に携わっていたら「先輩!さすがにこの仕様はいけません!」と、嫌われるタイプの青二才感全開で意見していた事でしょう。
ということで、本来はデメリットすらも逆手にとる僕ですが、どうやら本機には歯が立たなかったようです。
最後に言っておきますが、僕はNikonが嫌いとか断じてございません。
メインにはしていませんが、どのメーカーにも敬意を持っています。
ただ、「うん、これでいいよ」と最後にGOを出したNikonコンパクト部門の偉い人とは仲良くなれない気はします。
Nikon coolpix P330、2013年製です。
この製品のファンの皆様、悪気はございませんので、どうぞ一人の消費者の意見として受け流して頂けたら幸いです。
オーゼキコーキ