基本的には写せなければ表現しきれないところが写真の弱点でしょうか。
ですから渋谷のスクランブル交差点の上空にオーロラが輝いている作品を生み出すにはコンピューターグラフィックの出番ということになります。
先日、偶然立ち寄ったオープンカフェで某グラフィックアーティストによる個展が行われていました。
ダークなテーマ性の強い作品が大半を占めており、どうやら作者は恐怖をポップに或いは風刺的に表す特徴を持っているようです。
手書きとCGを掛け合わせた作品はトータル30点ほどで、A1サイズからB5サイズまで額に入って飾られていました。
カウンターでアイスコーヒーを注文すると「今からドリップするので暫くお待ちください」というので、その間にじっくりとそれらを鑑賞することに。
お客さんはそれなりに居ましたが、ドリンクを飲んでいるだけで作品をまじまじと観ているのは僕一人です。
その様子があまりに熱心だったからでしょうか。
「こんにちは!ご覧いただきありがとうございます!」
パッと見では一般のお客さんとの区別もつかない出で立ちで、40代半ば程の女性が話しかけてきました。
元気でさわやかだけれど、どことなく壺でも隠し持っていそうな表情に感じたのはここだけの話。
一先ず僕も動画のナレーション並のテンションで「あ~こんにちは!この作者の方ですか?」と返します。
すると面食らった様子で「い、いえ、私はただのスタッフでして、もしご興味があればこちらのQRコードを読んでいただければと・・・ではごゆっくり!」
そう言い残してその場を去ってしまいました。
きっと僕が水晶玉でも隠し持っていると思ったのかもしれません。
確かによく見ると作品のタイトルが書かれたプレートに小さくQRコードが印字されています。
どうやらそれぞれの作品の解説が読めるようなのですが、残念ながら僕の趣向には合わない作風でありましたので、結局スキャンする事の無いままアイスコーヒーは出来上がりました。
その作者さんは海外でも活躍しているようですし「好きな人は好き」なのだと思います。
こうした写真とCGを掛け合わせた作品を生み出すアーティストで僕が大好きなのは、グラフィックデザイナーの田島照久さんです。
検索するとすぐにわかりますが、僕は中学1年の頃からずっとこの方の作品を目にしてきました。
どこにも存在しないはずなのに”きっと在りそう”と想い焦がれてしまうような世界観に今でも心を掴まれます。
何というんでしょう、欠けてしまっている記憶と記憶の隙間を埋めるとするなら、こんな空間だったら良いのにぃ、なんて書いたらかっこうを付けすぎでしょうか(笑)
田島照久さんは写真家でもあり、たぶん僕が人生の中で最も多く目にしてきたのは彼の写真かもしれません。
いまこうしてブログを書いていて気付き、自分でも驚いています。
もしかすると心の中の深いところにある芸術的感覚のルーツが、ここに隠れているかもしれませんね。
これから更に作品集を買い揃えて勉強します。
さて、話は変わりますが『一刀流』と『二刀流』果たしてどちらが強いんだ!?という答えの出難い疑問を持つ子どもは多いと思いますが、ことスポーツチャンバラにおいては圧倒的に二刀流の方が強いようです。
その理由はルールによるところが大きく、真剣や竹刀を使った剣術云々に至っては全く別の話でありますがね。
しかし、冒頭でお伝えした写真の弱点である「写せない」瞬間を、僕は何で表現しようかと考えます。
勝手な希望としては文章で表せたなら本望かと。
自分の中では『写真』『文章』『音楽』は常に切れない関係性であると感じていますが、僕が生み出せるものとしては、この中で音楽が最もへたくそですね(笑)
一応全くできないわけでは無いまでも、今のところ得意レベルで言いますと7:2:1の割合ですかね。
なので写真と文章を更に磨くためにも、やはり自身の栄養となる類の本をたっぷりと読み、知識よりも感性を豊かにしていこうと思います。
大丈夫です。
いざっ!カメラ二刀流~!!
とか始めたりはしませんので(笑;)
オーゼキコーキ