200years:

-ozekikoki-

カメラにテロワール、あると思います。

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PENTAX K-1

現在読んでいるワイン本に、こんなことが書いてありました。

 

ー  ”テロワール”というのは無理やり直訳すると「ボトルの中にはワインだけじゃなく、ぶどうを生み出す土壌や気候みたいなものも封じ込められていますよ」という意味。

舌から伝わってくる味の先には、畑の砂利や粘土、石炭、火山灰はもちろん土地環境や周辺に住んでいる動物だけでなく、そこに暮らす人々の性格といった情報までもが絡み合い、複雑な味を形成している  ー

 

上記は著者の解釈や伝えやすくするための言葉も混ざっていますが、農林水産省では次のように翻訳しています。

 

テロワール【terroir】:フランス語の「terre(土地)」から派生した言葉。

例えば、ワインの味わいに関係するぶどうの生育地の土壌、地勢、気候、人的要因などの特徴を説明する場合などに用いられる。

 

さて、こうした言葉を並べ始めますと「ワインってやっぱり難しい雰囲気じゃん?」と思う方もいらっしゃるでしょうけど、そんなあなた様も好みの写真機を手にした際に作り手が込めた”思想”や”受け継がれた哲学”さらには”拘りの意匠”などなど、一言で表し難い何かをきっと感じた事があるはずです。

 

山脈風景や色とりどりの花々、風に亜麻色の髪をなびかせる乙女なんかも全部スマホだけで撮れるっちゃぁ撮れます。

それでも好みの写真機をわざわざ携えて使うのは「スマホより画質が良いから」という単純な理由だけではないはずです。

 

指先から伝わるダイヤルの感触。

耳は痺れて骨まで沁みるシャッター音など、挙げればキリがないほどの”何か”が僕たちにカメラを握らせているのではないでしょうか。

 

たとえば少し前の僕の動画で『α100』を取り上げました。

SONYさんが本格的にカメラ業界へ参入ということで登場した一眼レフの第一弾です。

この時に”シナバーカラー”について自分なりに考察し「辰砂(シンシャ)→水銀の原料→α100のペンタ部やレリーズボタン回りのデザインは水銀をモチーフにしているのではないか!?」などと考察を巡らせたわけですが、パワーストーンとしても有名なシナバー石(賢者の石)には

・生命力の源
・能力を100%発揮させる
・人生のターニングポイントを良い方向へ導く

などの効果があると謳われています。

 

ほぉ、確かにSONYさんはKONICAMINOLTAさんからカメラ事業を引き継いだわけだし、成功を託されたチームの願いや希望も込められているんだなぁ・・・・

などとテロワールを嗅ぎとる僕は謂わばカメラソムリエのセンスがあると言っても過言ではないはずです(笑)

※こらぁ~!これをヘンタイとか言うキミは廊下に立ってなさぁ~い※

 

実際にこうした製品の背景を知りながら撮り歩きますと、たとえ15年以上も前に発売された機種でも様々な味を楽しめます。

Nikonさんから『Z fc』が登場して嬉しそうな先輩方の表情を思い浮かべますと・・・

「あぁ、テロワールを噛みしめていらっしゃるぅ~♪」と微笑ましくも温かな気持ちになるのです。

 

そう考えますと、これまでワインだけに使われていた『テロワール』という表現ってカメラやレンズにも使えてしまうと思いませんか?

そもそも写真・カメラの発祥はフランスです。

ワイン界では”旧世界”とも呼ばれ、その代表といえる国もフランス。

これはもう大同小異ですよ。

ボトルに入った液体か、手のひらに包まれた個体の違いですよ(笑)

 

もうチャンネル名も【Camera:Rev】じゃなくて【Camera:cellar】に変えようかしら。

 

ということで、話がついつい長くなりましたけど僕がワインに興味を持って本気で学び始めたのは明らかに偶然ではない模様であります。

 

オーゼキコーキ

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PENTAX Optio S10