200years:

-ozekikoki-

「スマホでも綺麗な写真が撮れる」という方へ一言だけ

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OLYMPUS XZ-10

かなり、かなり、かなりの頻度で「最近のスマホは本当に綺麗に撮れるから、わざわざカメラは要らないなぁ」と言われる事が多いです。

特に小さなお子さんが居る方とは、こうしたお話になるのです。

 

確かに。

近年のスマホは本当に手軽に良く写りますよね。

機種によっては少し前に溢れていた”高画素”の1/2.3センサーのコンデジよりも見栄えの良い写真が撮れることもあります。

ですから”綺麗に撮れる”という部分に関しては一切異論はございません。

僕らのような人間からすれば、まぁ色々と粗が分かりますが、一般的には必要十分な画質を誰でも手に入れられる時代と言えるでしょう。

 

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OLYMPUS XZ-10

 

今日だって仕事先で同じような会話がございました。

僕は「確かにそうですよね」と返答しつつも、いつも決まって一言だけ質問します。

 

「ーですが、例えばきっと5年前にも同じ感覚でスマホで写真を撮られていますよね?

いま、その画像データってちゃんと保管や管理ってされていますか?」と。

 

これまでに「もちろん!」と答えた方は、残念ながら一人もおられません。

 

スマホで”メモ写真”を撮ることと、カメラで”思い出を写す”ことって、全然違うんですよ。ぜひカメラの購入を検討してみてくださいね♪」

と、最後はほんのり軽くご案内しています。

 

僕の場合は特に小さいお子さんがいらっしゃる方に対して、なるべくカメラで写真や動画を残してほしいと感じています。

『より綺麗な画質で ー 』という理由ではありません。

我が子を愛おしく想って撮った写真には、その時の”気持ち”が宿っています。

そのデータを、自分だけではなくその子自身の為にも、しっかり残すべきだと思うからであります。

 

カメラ機能付きスマホではなく、写真機(カメラ)ってやつは、それを叶えてくれる”チカラ”があると思うんです。

 

つまり、カメラメーカーも必ずそのことを念頭に置いた製品開発をする責任がありますよね。

 

そういえば、僕が産まれて間もない頃に父が撮った一枚の写真があります。

使っていたカメラは全自動のKonica MT-7というチープなコンパクトフィルム機。

当時、一切カメラに興味関心が無かった父は、出産祝いという事で頂いたそのカメラで僕のことを撮りました。

父はその写真をいつも免許証と一緒に小さな革のケースに入れて持ち歩いていました。

 

今はヒゲの生えた大男のオーゼキも、その当時、それは可愛い小さな天使でありました。

父もきっとそう思ったのでしょう。

カメラを縦に構えて、愛する我が子をフレームいっぱいに近づいて撮ったのでした。

 

ここで当時の安価なコンパクトフィルム機を知る方なら勘付いた事でしょう・・・。

そう、しっかりと盛大な”ピンボケ”写真なのです。

このKonica MT-7は当時の安価なモデルに多かったパンフォーカスタイプのカメラです。

フォーカスは1.5m~∞の固定タイプで、35㎜の暗いレンズです。

 

それでも。

 

そのピンボケが物語る「枠いっぱいに撮りたかった」という気持ち。

それがちゃんと写っている(宿っている)のですから、素晴らしい一枚だと僕は思います。

 

知識が無くても、撮るのが下手でも、なんでもいいんですよ。

気持ちが残せているならば。

 

(でも当時カメラをプレゼントしてくれた人が、もしもOLYMPUS 初代XAとかを選んでくれてたらなぁ・・・(笑))

 

オーゼキコーキ

 

【本日の一枚】

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OLYMPUS XZ-1

 

 

作業進まず、読書の一日

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RICOH GXR MOUNT A12 + Voigtländer Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Aspherical

今日は大変に温かい一日でありました。

午後に撮影が一件、横浜市の”桜木町”周辺で入っており、諸々とPCを使った別件の制作物等もあったので、早めに家を出てカフェで作業することに。

 

いつも通り季節に左右されず、定番の『アイスコーヒーブラック』を注文して席に着くとすぐに、一冊の文庫本を取り出しました。

それは五木寛之氏の『レッスン』という小説です。

昨日、東京は蒲田のブックオフで108円で購入してあったもの。

ここ最近、彼の数ある代表作のうち『大河の一滴』を読んでみようとふと思い立ち、かれこれ4店舗ほど足を運んだのですが全く見当たらず、仕方なしにサクッと読めそうに思えた『レッスン』を手にとった次第です。

 

実のところオーゼキ。

好きな作家は誰か、と問われた場合に真っ先に上がるのが”いちおう”五木寛之氏なのです。

ステレオタイプな人間が多い現代において、なるべくなら公言したくはありませんが、

僕はこれまであまり熱心に小説を読む人間ではございませんでした。

 

年に多くて3冊程度の単行本を読む程度で、マンガ本すらあまり読みません。

圧倒的にエッセイやコラム、ルポルタージュなどの方が高い頻度で目を通しています。

五木寛之氏の本で数年前に買って読んだことがあるのは『男が女をみつめるとき』です。

これは小説というか、それこそエッセイ集のようなもの。

つまり彼の小説としての作品をこれまでちゃんと読んだことが無かったのです。

 

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RICOH GXR MOUNT A12 + Voigtländer Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Aspherical

話が長くなりますので端的に書きますと、元々名前や存在は知っていたものの、僕が25歳前後に目を通したエッセイの執筆者が五木寛之氏であり、ちょうどその頃、自身がカメラレビューなどで必死に文章を書くことを学んでいた時期であったため、彼のあまりに美しく、一瞬で引き込む力を持った文章を初めて目の当たりにし、まさにビール瓶で頭をカチ割られたような想いに至ったのです。

 

その後に小説を真面目に読もうかと手を出したのは、父の勧めもあって同郷の三浦哲郎氏のものでした。

はて、なぜ五木寛之の本ではないのか、と疑問を持つ方が多いでしょう。

実は4冊ほどすぐに古本を入手したのでありますが、当時勤めていた会社の引き出しに置いたまま退社してしまい、わざわざ取りに行くのも・・・といった具合で(笑)

 

そして今日、ついに初めて彼の小説を読んだというわけです。

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RICOH GXR MOUNT A12 + Voigtländer Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Aspherical

この『レッスン』という作品、つい先ほど読み切ったのですが・・・

いやぁすっかり魅了されてしまいました。

今ぼくの心は作中に出てくる”フィレンツェ”や”トスカーナ”に行ったきりなかなか帰ってきません(笑)

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RICOH GXR MOUNT A12 + Voigtländer Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Aspherical

午前中にカフェで読み始めたときは、1時間ほどで作業を開始しようと思っていたのですが、全く止まらなくなり危うく撮影に遅刻するところでした(汗)

仕事を終えて再度カフェに戻ってからも、納品の前にどうしても読み切ってしまいたくて、気が付けばもうこんな時間(22:00)・・・。


はい、完全に制作物は1ミリも進んでいません(笑)

まぁ、うちの事務所の新サービス関連のものなので、誰かに迷惑をかける事でもありませんが、帰ったら妻にチクリと言われそうです;

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RICOH GXR MOUNT A12 + Voigtländer Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Aspherical

これは普段から小説を豊富に読んでおられる方々からするとどのような評価なのでしょう。

いつかのブログでも書きましたが、僕は高校時代に年間300本の映画を観て、その感想を全てノートに記していた過去があります。

その時に分かったことは、自身の心にグサリと残る作品は100本に1作品程度の確率というものでした。

今回の『レッスン』をそれに倣って言うならば、まさにその1作品を当てたという感覚です。

当然これは多分に個人差を含むものですから一概に断言はできませんが、僕には相当ハマりました。

 

こういう時に言うんでしょうね

「ラッキー♪」って。

 

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RICOH GXR MOUNT A12 + Voigtländer Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Aspherical

さて、話は変わりまして本日のカメラは久しぶりにGXRであります。

MOUNT A12に広角レンズと外部ファインダーをつけて、モニターOFFで使うのが事もあろうか新鮮に感じてしまいました。

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RICOH GXR MOUNT A12 + Voigtländer Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Aspherical

それもそのはず。

カメラ内のスナップ写真は今年の夏頃で止まっておりました;

幸い操作などは手に染み付いたままのようで、それぞれのファンクションの割り振りなどもしっかり覚えていました。

あとからやって来たX100Tが随分と僕とベストマッチしてしまい、ついつい出番が減ってしまっていたのですが、こうして使ってみるとやはり”これ”ならではの良さがあって堪りません。

 

何と言いますか手に持った時の雰囲気を例えるならば・・・

拳銃で表すのも些か嫌悪感を纏いますが、X100Tが『コルトパイソン』はたまた『フリントロック』といった古式銃だとすれば、GXRは『グロック17』や、ドイツ製の頑丈なもので『SIG SAUER P226』などの自動拳銃あたりでしょうか。

と、あたかも詳しそうに列挙致しましたが、全部調べながら書いてますので悪しからず(笑)

この辺は全くオーゼキは専門外なので、あくまでもGXRの造形からハンドガンを想起し、ならばX100Tはどうなのだろうと思って書いたまででやんす。

 

つまり先述の『レッスン』の影響を受けて「Oh! What a beautiful "camera"」と、我が愛機を賛美したかっただけなのであります。

 

さて、そろそろ帰るとしますかね。

時計を見れば23:00です。

蛍の光のメロディが流れて参りました。

 

オーゼキコーキ

 

 

【本日の一枚】

 

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RICOH GXR MOUNT A12 + Voigtländer Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Aspherical

 

スナップを始めたい方々へ『オーゼキ流スナップ講座その3』

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今回はオーゼキ流スナップ講座『その3』ということで”街で出会う人々”をテーマにしたいと思います。

本記事のカットは全て過去のブログで掲載したことのあるものを再アップ致しております。

それぞれのカットがその場で「撮らせてください」と話しかけて撮影したものです。

つまり僕の中では”スナップ”であり、”ポートレート”とは思っていません。

 

当然ながら全てのカットが単純に「撮らせてください」と、いきなり話しかけたわけではなく、許可を頂きやすいように世間話を交えて会話したりタイミングをみたり等々、工夫したのちに得たカットなのであります。

その辺の状況解説を入れながら紹介していきます。

では、スタート。

 

1.魅力的な被写体(人物)を見つけてしまったら、あなたの行動は2択です

スナップを撮り歩いていると、「おっ」と目に留まる人物が目の前に現れることがあります。

皆さんもそんな経験は1度や2度ではないはず。

その瞬間、あなたには2択が課せられます。

『撮る』か『逃げる』か。

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上のカットを撮影したのは『東京・原宿』です。
 この日は実験的に業務用のドでかいシネマカメラを使用しました。

簡単に言いますと5K 解像度の動画からの切り抜きのようなものです。

1レリーズ1コマの設定にして、写真機として使いました。

しばらく原宿を歩いていて僕の頭に浮かんだのは「”原宿らしい人”を撮りたい」でした。

すると目の前に、なんとも理想的と言える”歩く原宿”が現れたのです。

見た感じ日本人ではない模様・・・。

かなりの人込みでしたが、なんとか掻き分けて彼女の元へたどり着きました。

僕「ハロー!」

彼女「ハ~イ」

僕「日本語は話せますか?」←これ大事

彼女「ノー」

僕「オーケー、アイムフォトグラファー、ユア スタイル アンド ファッション イズ ベリーグー ベリーナイス」

彼女「オーテンキュー!」

僕「ナウタイム イズ ディスキャメラ テストシューティング」

「プリーズ!テイクハバピクチャ!プリーズ!」

彼女「イエス!オーケー!オーケー!」

僕「テンキュー!アイムハッピー!カモン!」

 

てな感じで(笑)

お分かりの通り僕は全然英語が話せません。

ですから「テイクハバピクチャー」が「写真を撮らせてよ」という英語だという雑な知識だけ身に着けておいて会話しています。

そして撮影中は「オー!ベリーキュート!ナイス!グー!」を交互に連発して、最後は撮れたカットを液晶で見せて「ベリーベリーグー!」

最後は「センキューソウマッチ!」

これでとりあえず言いたいことや気持ちは伝わります。

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上の写真は、人数が多いことに若干ビビッて一度は通り過ぎたものの、何となく「頑張ろう」と引き返して撮ったもの。

ファーストコンタクトとしては、まず通りすがりにこのうちの一人と目を合わせて微笑みかけます。(この時に僕は”皆でビール飲んで良いね!”みたいな心を込めた表情をします)

この時点で無視されたり嫌そうな顔をされた場合は僕の心がポキッと折れるので引き下がるつもりでした。

しかし、笑顔を返してくれたのでオーゼキは調子に乗ります。

「ハ~イ、グ~ッド、ドゥーユーライク ジャパニーズビア??」と、なぜか楽しそうにオーゼキは話しかけます。

皆「イエス!グッド~s@「」¥・????」

何を言っているのかわかりませんが僕は無理やり会話を続けます。

「ディスイズ サッポロクロラベ~ル アンド イチバンシボ~リ」

皆さんは完全に「うわ、ヤバい奴に絡まれているのかもしれない」みたいな空気を出し始めました(笑)

こういうのって言葉とか関係なく感じ取れるものなんです。

そこで「オーケー、アイムフォトグラファー・・・・・・」というトークが始まります。

僕の中で「オーケー」と切り出す理由は、何となく話題を変える時や本音を話し始めるときにアメリカ人が使っていそうだ、という感覚を洋画を観て感じていたからです。

信じられないくらい浅はかで低レベルの語学力でも、相手が優しければ何とかなると信じています。

複数人の外国人の方々に同時にこっちを向いてもらうのって、なんて言えばいいのだろう・・・と思って元気に一言「ルックアットミ~!!」

 

さて、これらの行動は瞬時に課せられた2択『撮る』か『逃げる』かのうち、『撮る』を選択した結果です。

しかしいつも上手くいくとは限りません。

断られると僕の場合かなり深くへこみます(笑)

とは言え『撮る』という選択をした結果『撮れなかった』なら、得るものがあります。

ところがその逆の『逃げたから撮れなかった』は、何も得ることはできません。

”撮りたい”と思ってしまったアナタの感情を救えるのは自分自身なのであります。

 

2.美女にビビるということは下心に「モテたい」が在るからだ

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これは下心との勝負です。

僕は美女に「撮りたい」と話しかけるときは、必要以上に緊張します。

みなまで言わずともお分かりいただけますよね。

断られた時のショックが通常の3倍くらいだからです(笑)

そういうことです。

しかし忘れてはいけないのは『これは断じてナンパではない』ということ。

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上の2カットは、それぞれ別の日に撮ったものです。

場所は『神奈川県・鎌倉の浜辺』

砂浜を歩く彼女達を見つけて撮りに行くという事は、先ずはスタスタと一人で近づいていくということです。

つまり「なんかあの人、こっちに向かってくる」と、先に悟られているわけです。

そう、警戒されます。

この時点で不利だと思うのが普通です。

しかしオーゼキは逆の発想を持ちます。

最初のハードルが低いわけですから、「ナンパじゃなかった」「変な人じゃなかった」という印象さえ与えられれば”ほぼ勝ち”だと思うのです。

幸い上の計5人は日本語を少し話すことができました。

あとは先述の会話とだいたい同じです。

会話の順序は下記の通り。

・僕はフォトグラファー

・君(たち)がいる、このシチュエーションが素敵だ

・旅行なのか、それとも日本に住んでいるのか

・ひとつだけお願いをしてもいいですか?(これを聞けば目的なんぞ悟られる)

・撮らせてほしい

この流れです。

そして「いいよ」と言われた後に、僕は一つの行動をとります。

それは”名刺を渡す”こと。

これは僕の勝手な思い込みですが、そのほうが更にリラックスしてくれると考えているからです。

数カットシャッターを切って「ありがとう!」と言ったあとにも、もう一つ僕なりのマナーがあります。

それは「あなたのカメラ(スマホ)でも撮りましょうか?」というもの。

言葉が通じるからこそ+αできるサービス精神です。

ちなみに1カット目の女性は、写真を撮る前に僕のことをネットで調べました。

やはり今の時代、諸々と襟元を整えておくことは大切です。

 

下心を封印して『好印象』を与えられれば、自身の外見のスペックは関係ないのです。

 

3.互いに”限られた時間”という認識がある場合は話が早い

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電車の中で、隣の男性が奥歯にモノが挟まっているようで懸命に取ろうとしていました。

僕は「なかなか取れないんですか?」と話しかけました。

男性は少し照れた様子の笑顔で頷きました。

僕「僕もね、さっきまで奥歯にネギが挟まってて取れなかったの、昼に食べた牛丼に入ってたやつ」と、(うそですが)軽く会話します。

すると男性は「俺のこれはなんだろうなぁ、わかんねぇや」と笑ってくれます。

僕「いま仕事の帰りですか?」

男性「そう、もう疲れた(笑)」

僕「そっか、お疲れ様です。僕も同じです。仕事は何ですか?」

男性「まぁ工事とかそういうの」

そんな会話をしながらも、まだ奥歯の何かが取れない様子。

僕「オジサン、まだ取っちゃダメ(笑) 実は僕ね写真でご飯食べてる者なんだけど」

と言って名刺を渡します。

僕「人が奥歯に挟まったモノを取ろうとしてる様子って滅多に見れるものじゃないから、どうしても写真撮らせてほしいの、いい意味ですごく面白いんです。1枚だけ!1枚だけ撮っても良いですか?」と小声だけど強めにお願いしました。

男性も笑いながら頷いてくれます。

僕「電車の中で申し訳ない(笑)」と、少しさっきよりも大きな声で言います。

そのわけは、男性の向こう側に座っている人にも了承を得たいからです。

その向こうに座る彼はチラッとこちらを見てきたので僕は笑顔で会釈しました。

彼も小さく会釈して下を向きました。

周りの人って、なんだかんだ会話を聞いているものなのです。

こういう環境づくりも大切だと考えています。

結局”1枚だけ”と言いつつも3~4枚撮りました。

そういうものです。

 

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この写真はご覧の通り信号待ちをしている”とぎや”の男性を撮らせていただきました。

時間は先ほどの電車内のカットよりも限られています。

僕「あの、こんなところで話しかけてすみません、簡単に言うと僕は写真家なんですが、今初めて見てすごく魅力的に感じたので1枚だけ写真を撮らせてもらえませんか!」

男性「・・・(2秒ほど考えた様子で無言で頷いてくれました)」

ちなみにこの時に僕が使ったカメラはRICOHGX100です。

写真をやってない人からすると『写真家の使うカメラじゃないだろ』と思うほどに小さく地味なコンデジです。

でも僕の表情や言葉の内容で「茶化しているわけじゃなさそう」と感じて頂けたのだと思います。

短い時間でどのように相手との距離を縮めるのかがポイントであり、自分が感じている事、思っていることを可能な限り素直に伝えるのが大切だと考えます。

 

4.ひと時の思い出として撮る。

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どのカットも撮影者である僕にしかわからない思い出が詰まっています。

それは自然風景でも花や街の景色にも言える事ですが、相手が人間の場合は会話が存在し、互いのことをある程度知り、それが束の間の思い出となるのです。

上の4カットも、それぞれ長いコミュニケーションの末に撮らせて頂いたものです。

そしてこの全てに言える共通点は『ボケ』だとか『構図』だとか、そういう一般的に写真に必要そうな要素を一切考えていないという事です。

会話しながら、パッと撮らせていただく。

 

レンズの焦点距離もバラバラで”ポートレートレンズ”などと言われるようなものは全く使っていません。

なんせスナップですから、その時装着しているレンズやカメラが全てです。

自分が「この人と出会って、こういう会話をした」という事を後々でも思い出せるようなカットが撮れればそれでOKだと考えています。

 

さて、ここまで話しておいて今更このような事をいうのもナンですが・・・

僕は本当の本当に、見ず知らずの人に話しかけたりコミュニケーションを取るのが大の苦手であります。

信じて貰えないでしょうけど、かなり苦手でどうしようもないです。

 

ですが『撮りたい』と思ってしまった以上、どうにかその感情にケリをつけなければなりません。

それは自分にしかできないことです。

 

その為に”どうすれば撮らせてもらえるのか”を真剣に考えて、自分なりに特訓しました。

F値シャッタースピードISO感度などの知識をつけるのも大切ですが、瞬発的に相手に興味を持って質問するというスキルなんかも同様に必要だと思います。

僕は試してませんが、この手の『会話術』みたいな本を読んでみるのもいいかもしれませんね。

 

5.ファインダーを覗かずに撮ってもヨロシ

被写体がモデルさんなどの撮られることに慣れている方の場合は別ですが、スナップ的に撮らせて頂く際のほとんどは素人さんです。

僕の場合は背面液晶でおおよそのフレーミングを決めたら、そのまま普通に相手の顔を見て話しだします。

そして良いと思えた表情の時にシャッターをそっと切ります。

更に言うとAFは顔認識を使ったりします。

最近のデジタルカメラらしい便利な使い方で撮りましょう。

決して「写真家っぽい」仕草や行動に縛られてはいけません。

 

ちなみにファインダーを覗かずにカメラを構えて、いったい何を話し出すのかと言いますと、その時々によっても異なりますが・・・

例えば笑顔が欲しい場合は「それにしても今日はいい天気ですね!」じゃダメ(笑)

「こんな真正面から写真撮られることって普段あります!?」のほうが自然な笑顔が出てくる可能性が高いです。

他にはちょっと真面目な顔で次の一言を・・・

「ちなみに実は僕、自分で言うのもナンですが、有名な写真家なんです(ここでニヤリとする)」

だいたいこれで笑ってくれますけど、ダメなら次はこれ↓

「いや、間違えました、なる予定なんです」「すいません、嘘つきました」

 

それでもダメなら奥の手です。

「すみません、笑顔を撮りたくて僕なりに努力したのですが、あなたは真剣な顔のほうが似合うと今気が付きました」

など、思った事を言ってください(笑)

 

とにかくこの辺の話術に正解はありません。

自分のキャラクターや表情、声質などを客観的に理解するところから始めると良いでしょう。

どれだけスベってもいいのです。

 

安心してください、写真にあなたの恥は写りませんから。

 

 

 今回はここまでに致します。

次回は僕の座学部分をテーマにしてお伝えしていきたいと思います!

ありがとうございました♪

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