今日は大変に温かい一日でありました。
午後に撮影が一件、横浜市の”桜木町”周辺で入っており、諸々とPCを使った別件の制作物等もあったので、早めに家を出てカフェで作業することに。
いつも通り季節に左右されず、定番の『アイスコーヒーブラック』を注文して席に着くとすぐに、一冊の文庫本を取り出しました。
それは五木寛之氏の『レッスン』という小説です。
昨日、東京は蒲田のブックオフで108円で購入してあったもの。
ここ最近、彼の数ある代表作のうち『大河の一滴』を読んでみようとふと思い立ち、かれこれ4店舗ほど足を運んだのですが全く見当たらず、仕方なしにサクッと読めそうに思えた『レッスン』を手にとった次第です。
実のところオーゼキ。
好きな作家は誰か、と問われた場合に真っ先に上がるのが”いちおう”五木寛之氏なのです。
ステレオタイプな人間が多い現代において、なるべくなら公言したくはありませんが、
僕はこれまであまり熱心に小説を読む人間ではございませんでした。
年に多くて3冊程度の単行本を読む程度で、マンガ本すらあまり読みません。
圧倒的にエッセイやコラム、ルポルタージュなどの方が高い頻度で目を通しています。
五木寛之氏の本で数年前に買って読んだことがあるのは『男が女をみつめるとき』です。
これは小説というか、それこそエッセイ集のようなもの。
つまり彼の小説としての作品をこれまでちゃんと読んだことが無かったのです。
話が長くなりますので端的に書きますと、元々名前や存在は知っていたものの、僕が25歳前後に目を通したエッセイの執筆者が五木寛之氏であり、ちょうどその頃、自身がカメラレビューなどで必死に文章を書くことを学んでいた時期であったため、彼のあまりに美しく、一瞬で引き込む力を持った文章を初めて目の当たりにし、まさにビール瓶で頭をカチ割られたような想いに至ったのです。
その後に小説を真面目に読もうかと手を出したのは、父の勧めもあって同郷の三浦哲郎氏のものでした。
はて、なぜ五木寛之の本ではないのか、と疑問を持つ方が多いでしょう。
実は4冊ほどすぐに古本を入手したのでありますが、当時勤めていた会社の引き出しに置いたまま退社してしまい、わざわざ取りに行くのも・・・といった具合で(笑)
そして今日、ついに初めて彼の小説を読んだというわけです。
この『レッスン』という作品、つい先ほど読み切ったのですが・・・
いやぁすっかり魅了されてしまいました。
今ぼくの心は作中に出てくる”フィレンツェ”や”トスカーナ”に行ったきりなかなか帰ってきません(笑)
午前中にカフェで読み始めたときは、1時間ほどで作業を開始しようと思っていたのですが、全く止まらなくなり危うく撮影に遅刻するところでした(汗)
仕事を終えて再度カフェに戻ってからも、納品の前にどうしても読み切ってしまいたくて、気が付けばもうこんな時間(22:00)・・・。
はい、完全に制作物は1ミリも進んでいません(笑)
まぁ、うちの事務所の新サービス関連のものなので、誰かに迷惑をかける事でもありませんが、帰ったら妻にチクリと言われそうです;
これは普段から小説を豊富に読んでおられる方々からするとどのような評価なのでしょう。
いつかのブログでも書きましたが、僕は高校時代に年間300本の映画を観て、その感想を全てノートに記していた過去があります。
その時に分かったことは、自身の心にグサリと残る作品は100本に1作品程度の確率というものでした。
今回の『レッスン』をそれに倣って言うならば、まさにその1作品を当てたという感覚です。
当然これは多分に個人差を含むものですから一概に断言はできませんが、僕には相当ハマりました。
こういう時に言うんでしょうね
「ラッキー♪」って。
さて、話は変わりまして本日のカメラは久しぶりにGXRであります。
MOUNT A12に広角レンズと外部ファインダーをつけて、モニターOFFで使うのが事もあろうか新鮮に感じてしまいました。
それもそのはず。
カメラ内のスナップ写真は今年の夏頃で止まっておりました;
幸い操作などは手に染み付いたままのようで、それぞれのファンクションの割り振りなどもしっかり覚えていました。
あとからやって来たX100Tが随分と僕とベストマッチしてしまい、ついつい出番が減ってしまっていたのですが、こうして使ってみるとやはり”これ”ならではの良さがあって堪りません。
何と言いますか手に持った時の雰囲気を例えるならば・・・
拳銃で表すのも些か嫌悪感を纏いますが、X100Tが『コルトパイソン』はたまた『フリントロック』といった古式銃だとすれば、GXRは『グロック17』や、ドイツ製の頑丈なもので『SIG SAUER P226』などの自動拳銃あたりでしょうか。
と、あたかも詳しそうに列挙致しましたが、全部調べながら書いてますので悪しからず(笑)
この辺は全くオーゼキは専門外なので、あくまでもGXRの造形からハンドガンを想起し、ならばX100Tはどうなのだろうと思って書いたまででやんす。
つまり先述の『レッスン』の影響を受けて「Oh! What a beautiful "camera"」と、我が愛機を賛美したかっただけなのであります。
さて、そろそろ帰るとしますかね。
時計を見れば23:00です。
蛍の光のメロディが流れて参りました。
オーゼキコーキ
【本日の一枚】