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-ozekikoki-

渋谷から新宿までの路地裏さんぽテスト

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X-pro2 + SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL I型

数日前に僕から提案してフリーカメラマンの友人と2人でスナップ散歩を”実施”しました。

前もって「どこに行きたいか」を彼に聞きますと”渋谷”と答えたので、僕は当日のカメラをX-pro2に決め、加えて広角と中望遠の単焦点を計2本へと絞りました。

つまり、pro2本体に装着していないレンズはコートのポケットに忍ばせて、バッグなどは一切持たない軽快なスタイルで出向きます。

 

この日に彼に伝えていたのは「渋谷に13時に待ち合わせで、到着したら僕から連絡する」という旨のみです。

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X-pro2 + SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL I型

少し早く渋谷へと到着して彼に連絡してみると既に近くでランチ中との事で、互いの位置的にちょうどいい場所にあるカフェを指定して無事に合流しました。

 

最近の仕事状況や世間話を少しした後、ようやくスナップ散歩に出かけます。

 

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X-pro2 + SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL I型

「先ずは渋谷センター街の方でも歩いてみますか?」と僕がたずねると、

彼は「NHKホールのある代々木の方面へ行ってみたい」と言い出したので、僕は反対せずに「どうぞ」と、いわゆる渋谷の繁華街とは真逆の方向に歩いていきました。

 

地図で確認するとわかりますが、NHKホールの周りは住宅街が多く、華やかさは一切ない路地や、小さな商店街があるくらいの環境です。

僕としては”ザ・渋谷”という被写体に向き合う姿勢を保って到着していただけに、ちょっと肩透かしを食らった気にもなりましたが「まぁこれはこれで」と、気を取り直してスナップ開始です。

 

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X-pro2 + SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL I型

「好きな写真家はいるのか」「普段はスナップでどんなものを撮るのか」など、写真やカメラに関する話をしながら歩いていきます。

彼とは何度か居酒屋で飲んだことはありますが、僕に比べると極端にお酒が弱いという特徴を持っており、それ自体は全く問題ないものの細かい話や彼自身のディテールを知るために十分な時間にはならなかったのです。

だから素面の彼には色々な質問をしました。

 

そうです。

実のところ僕は彼と一緒にスナップ散歩なんぞをするのは、この日が初めてなのであります。

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X-pro2 + XF60㎜ F2.4 macro

初めての場所はそれなりに新鮮ではありました。

とは言え焼肉を食べようとしていたのに魚のお刺身を食べている感覚はぬぐえず(笑)

ポチポチとシャッターを切りながら、とうとう新宿まで歩きました。

 

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X-pro2 + XF60mm F2.4 macro

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X-pro2 + XF60mm F2.4 macro

さて。

ここで ”テスト” 終了であります。

 

おっと、言い忘れておりました。

実は今回のスナップ散歩は僕なりの『採用面接』のようなものだったのです。

来年早々に、うちの事務所で開始する独自サービスの仕事を依頼するにあたり、どんな人間かをしっかり把握する必要がありました。

 

『カメラマン』と一言で言っても本当に様々です。

・写真の腕

・コミュニケーション能力

・礼節有無

・理解力

・判断力

・知識量

etc・・・

 

たとえ性格が合ったとしても、一緒に仕事をするとなると全く別の話であり、たとえば僕が「早く」あるいは「ゆっくり」と言っても、受け取る側の人間それぞれで長さが変わります。

「3日以内」という要望に対して1日目の夜に仕上げる人もいれば、4日目の朝に仕上げる人もいるのです。

 

この辺は僕とその人物との間で、どのくらいイメージや思考に差が存在するのかを感覚的に知っておかなければなりません。

 

ご本人さん、すんませんね(笑)

今頃これを読んで「はぁ~???」ってなってますか?

だけど、お陰様でおおよそのバランスは知ることが出来ました。

人の悪いことをしてしまいましたが、どうかご理解くださいね。

 

仕事の依頼内容やクオリティについて、貴殿には”なるべくギッチリ”と伝える必要がありそうです(笑)

時間が空いたタイミングで、ミッチリとバッチリと修行しましょうね!

丁寧に教えますので。

 

あと、SDカードはもう二度と忘れてこないでください。

この日、僕が上げたSDカードはお守りとして”常に”財布に入れておくこと!

必ず守ってくださいね。

それでは連絡をお待ちしています(笑)

 

オーゼキコーキ

 

【本日の一枚】

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X-pro2 + SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 ASPHERICAL I型

 

FUJIFILM X-H1 Ver2.00に飛びついた件

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X100T

FUJIFILM Xシリーズを開発している中の皆様。

オーゼキのブログをお読みいただき誠に嬉しく思っております。

引き続き気が付いた点などは書いて参りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

 

と、言うことで(笑)

12月17日ですかね?

X-H1に最新ファームウェアVer2.00のアップデートが来ました。

 

いつもなら(大変失礼ながら)隠れたバグを恐れて一旦様子をみるところですが、動画撮影時にX-H1のボディ内手振れ補正特有のカクつき(パンした際の)が改善されている旨の内容をみて、思わず飛びついてしまいました。

 

さっそく室内にて手持ち歩行でのテストをしましたが、これはスゴイ!

拍手喝采であります。

これまでは”カクカク”する妙な挙動を懸念して、かなり制限された動きしかできませんでしたが、今回のファームアップで本当に見事な改善を見せてくれました。

というか、こうでなきゃせっかくの手振れ補正が動画撮影においては台無しでありますから、当然と言えば当然なのかもしれませんが、アルゴリズムの見直しでこれほどまでに良くなっていること自体には感謝しかございません。さすがです。

これで今後の動画撮影業務が大きく捗ります♪

(スタビライザーを買う必要がなくなった)

 

さて、他にも色々と盛りだくさんなファームアップのようですが、自身が使わない内容に関しては言及できませんので、あくまでもオーゼキの使用範囲内に限った嬉しい改善点をお伝えいたします。

 

それは、以前ブログにも書いた”かなりニッチ”な不具合に改善が見られたということです。

ozekikoki.hateblo.jp

 

この中で指摘していた2つの問題点に対して、明らかに手を入れてくださいました。

まず1つはAF精度です。

上記の記事では『Touit』について特に問題視しておりましたが、本日も仕事でガッチリ使ってみますと、別のカメラを使っているのかと思うほどAFの挙動に変化が見られました。

文字で説明するのはかなり難しいのですが、現状はハッキリと体感できる上に精度も向上しております。

少なくとも今日の撮影では一度もAFを外しませんでした。

静物に対して手持ちの撮影です。

(今回使用レンズ:XF60mm/XF16-55mm/Touit12mm)

※X-T3のそれとは異なり、あくまでも従来のX-H1からは改善したという意味です。X-T3で見られるAF性能の向上はハードウェアによるところが大きいと思いますので、今回のX-H1におけるファームアップでそれに並んだということではありません。個人の意見としては、さすがに同等にはなっていない印象です。

 

そして2つ目です。

これは地味ですけど感動しました。

撮影後の画像自動再生表示を設定している状態の際、電源立ち上げからの1カット目の表示にバグがあり、体感的には2~3秒くらい何の操作も受け付けずに即次の撮影に移れない』(前回のブログ内容から抜粋)

 

これが解消されているのです!

まさに”軽微な不具合”でありますが、FUJIFILMさんはしっかりと手を入れてくださいました。

既に「そういうものだ」と慣れてしまっていただけに、今日は全くストレスのない撮影ができて感激しています。

本当に地味な個所ではありますが、メーカーの真面目な姿勢を目の当たりにして素直に嬉しく思います。

 

 こんな感じで初日のインプレッションでしたが、気になる点が1つだけございました。

今回のVer2.00で、ん?と思ったこと

 AFのアルゴリズムを見直して精度を改善したと思うのですが、これまで可能だったことが出来なくなりました。

それは(連射設定ではなく)連続的にレリーズする際のAFの挙動変化です。

 説明が難しいので時系列で操作を下記に並べてみます。

・レリーズボタン半押しでAFを合わせる

・パシャ(指を完全に離さず半押し維持)

・そのまま同じ構図と設定でもう一枚パシャ

この時です。

 

今までは最初のレリーズ時点で合焦したピント位置から変わることなく2回目のレリーズが可能でした。

しかし今回のVer2.00ではそれが不可能となり、必ずもう一度AFを合わせる動きを挟みます。

これ自体は精度も速度も宜しいので、慣れの問題で解決できますが、例えばRICOHのGXRやGRでいうところの『撮影条件維持』機能のような感覚で、この”癖”を今まで活用してしまっていたので、今日はちょっとだけ「あ、あれれ?」ってなりました。

これは瞬発的な置きピン撮影において、連射設定ではなく単写で連続レリーズする場合は困ったものでして、この辺はなんとかならないものかと思った次第です。

どうせなら撮影者が任意で決められるように、機能として今後取り入れてくれたら嬉しいです。

 

まぁ、ユーザーの要望をあれこれと叶えていては、複雑なメニュー内容になってしまい逆にユーザーフレンドリーじゃなくなりますから、いい塩梅でお任せしますけどね;

 

※今回の内容は個人的な意見や印象であります。また、実は実装されている機能や誤った見解があるかもしれません。その際は”やんわり”とコメントで教えて頂ければ修正致しますので宜しくお願いいたします;

 

さて、X-H1がますます良いカメラに仕上がってくれて大満足です。

世間では「X-H1の中身は2016年の古い世代だから惜しいよね」などと言われておりますが、僕は全くそう思っていません。

技術や性能が日進月歩のデジカメにおいて、そのように感じる方が多いのも仕方がありませんが、仕事で使うことを考えると”安定した中身”の方が嬉しいのですよね。

たぶんFUJIFILMのかたも、その辺の考えがあっての事だと思います。

 

でも、X-T3のAF性能は羨ましいよね(笑)

 

 

オーゼキコーキ

 

【本日の一枚】

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X100T

 

デジタルエシックス

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DMC-LX5

今朝、起床してすぐに自宅の本棚から一冊のムック本を手に取りました。

これは自身の寝ぼけた脳を起こそうとする日課のようなもので、冬ではありますが冷蔵庫から取り出した作り置きの麦茶を飲みながら、カメラ関連の本を読むのです。

 

何も考えずに背表紙を見ながらスッと引き出したのは『Nikon D100 WORLD』

 

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我が家の本棚は、メーカーや年代を問わずに様々なムック本が並んでおり、これに勝る本屋さんは日本中どこを探してもそうは見つからないでしょう。

さて、このNikon D100という機種は皆さんもご存知の通り2002年に発売されたとても古いデジタル一眼レフカメラであります。

APS-Cの610万画素CCDセンサーを搭載し、”デジイチの入門機”などと言われつつも当時で約30万円もした機種です。

 

この上位機種としては同社のD1シリーズが(約60万円ほどで)出ていたくらいで、ほんの僅かではりますが、アマチュアがデジタルに手を出せるようになってきた時代のカメラです。

 

今日はこのD100について掘り下げるのではなく、この本の中に見つけた”デジタルエシックス”(DEP=デジタル・エシックス・プロブレム)という説明書きが興味深くて書いてみることにしました。

 

以下、同書より原文のまま抜粋ー

 

【デジタルエシックス

 エシックス(ethics)とは倫理という意味で、DEP(デップ)は「デジタル時代の報道写真に関する倫理問題」である。

 デジタル画像の大体は電気信号であって、だから画像の複製・修正・加工が非常に容易であり、しかも痕跡が全く残らない性質がある。

こうした容易さが画像を扱う者をつい”ふとした出来心”へと誘う力になることは確かだろう。

 もちろん、銀塩写真において、こうした画像処理がまったく行われなかったか、というとそうではない。

現にトリミングや露出補正や覆い焼き・焼き込みなど、必要不可欠な画像処理は行われ続けている。

しかしながら、こうした報道倫理に対するデジタル化による問題は、その容易さと高精度さが、熟練した技能を必要とせずに可能になることによって生じるものとなるだろう。

 人は熟練する過程で、その作業に対する職人的誇りを身につけてきたものだが、デジタル化はこうした熟練をほとんど必要とせずに多くの作業を成立させるに至っている。

これは、プロの記者による問題だけに決してとどまらず、写真を作り得る一般市民の問題へと拡張するだろう。そして、次の問題は、およそ写真の信憑性自体への疑問となって現れるかもしれない。

 これは画像加工にとどまるものではない。ほぼリアルタイムで結果を確認できるデジタルカメラによる撮影はそのままでは緊張感をなくしたものになりやすく、さらにフィルム枚数の制限がほとんどないためにビデオのような連続撮影が可能になることで、一枚一枚への執着心を喪失させているのではないか、といった危惧もある。

 写真のデジタル化は、多くの問題をはらみながら、これからもますます進展していくだろう。

だからこそ、とりわけ「真実」と連携を組むことが存在理由になりえた報道写真は、より深い(そして素朴な)問題と取り組まなければならなくなっている。

 

以上

 

コピペではなく、一字一句違わぬように本を片手に打ち込んでみました。

筆者の名前は伏せますが、皆さんはどのようにお感じになられましたでしょうか。

 

画像データの”信憑性”を保持する取り組みなどについて、私自身あまり詳しくはなかったものですから(OLYMPUSの工一郎とかにそういう機能があった気がするなぁってくらい)、ある程度の知識が無ければ判断しかねると感じ、調べてみることにしました。

 

例えば工事現場で使用される『OLYMPUS工一郎』のTG-1モデルなどでは『RAS暗号』などを使って画像データそのものに判定データそのものを暗号化して埋め込んでいたり、現在では『SD WORM(ワーム)カード』という特殊用途の製品が警察でも導入されているようです。

 

あくまでも特殊用途というこで一般のユーザーは購入できないとのこと。

サンディスクの改竄防止メディア「SD WORM」が警察庁に採用 - デジカメ Watch Watch

 

このD100のムック本に書かれている『デジタルエシックス』についての文章を初めて読んだときは「製品の購買意欲に訴求するための本の中に、ずいぶんと大胆なことを書いたものだ」と思いました。

 

しかし調べた上でよく考えてみますと、この筆者が言いたかった事や伝えたかった事への理解が深まってくるのです。

特にここで挙げられている”報道写真”においては、やはり”真実”でなければならないわけですから、フィルムからデジタルに切り替えるカメラマンがチラホラと現れ始めた当時は、一部の人々にとっては決して穏やかなものでは無かったのでしょう。

 

ましてや現代は急激にインターネットが普及し、たとえ偽物の写真であっても「本物だ」という数が多ければそれがまかり通ってしまう時代です。

これはもはやフィルム・デジタルの話を超えた問題だと感じます。

 

今後も姿かたちを変えながら水面下で続いていくであろう”デジタルエシックス”。

本文から本質的なものをピックアップするならば『職人的誇り』という一文に凝縮されている気がいたします。

 

結局は”誠実な撮影者”の存在が最後の砦なのであります。

 

 

オーゼキコーキ

 

【本日の一枚】

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DMC-LX5