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-ozekikoki-

スナップ時の覚悟と肖像権 ~米国と日本の違い~

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RICOH GX100

 

今日もまたGXRに加えてGX100を持ち出している僕です。

 

さて、少々難しい問題に手を付けた記事を書きたいと思います。

それはスナップ撮影の肖像権やマナーなどについてです。

もしもこの記事を読まれているあなたが街中のスナップ撮影を好み、また作品として世に出したいと考えている場合は、必ず頭に入れておいた方がいい事です。

僕も常にこれには細心の注意を払っています。

 

まず『肖像権』についてです。

細かい事はウィキペディアやその他法律関係の本に目を通して頂くとして、意外と知られていない事柄をザックリと書いてみます。

 

アメリカと日本の違い

米国では『肖像権』に関して次のような規定となっています。

【写真において、被写体の肖像権よりも撮影者や、それらを加工した編集者の権利が最優先される

これは民主主義のアメリカらしい絶対条件のようです。

表現の自由言論の自由』が何事よりも最優先されています。

それでは僕らの住む日本ではどうかと言いますと・・・。

日本国憲法には『表現の自由』という言葉の明記はあるものの『肖像権』に関する法律を明文化したものは存在しません。

つまり刑法等により刑事上の責任を問われることが無いのです。

しかしこれを知って「なら自由だ!」と考えるのは早合点。

我が国では肖像権よりも『人格権』のほうが民事として重要な判断基準となり、損害賠償請求となった判決も過去に存在します。

と~っても簡単に言いますと「人の嫌がることはしちゃイケない」という事です。

幼稚園で習うことですね。

 

そうすると気になるのは、ダメとイイの線引きはどこかということです。

これが大変に難しいところなのですが、法律上は存在しません。

 

被写体になった本人がOKならば問題なく、迷惑となればダメ。

一見シンプルですが、これほど曖昧で難しいことは無いですね。

 

だからこそ本人が露骨に特定できてしまうようなカットを撮り、尚且つ「作品として世に出したい」と考えている場合は、互いの為に了承を得る必要があるということです。

 

また、許可なく”写り込んだ人”あるいは意図して”写した人”を作品として扱う場合は完全に自己責任として、最悪は訴えられても然るべき対応をする!という覚悟が必要ということになります。

 

いかがですか?

こうしたことを頭に、胸に、しっかりと刻んで撮影に取り組まれていますか?

僕は例え訴えられたとしても「誠心誠意の対応をする」という覚悟を常に持ってシャッターを切っています。

もちろん場合によっては家族や職場に多大な迷惑が掛かることになりますから、生半可な覚悟ではありません。

 

今回こうした記事を書いたのも、某大型掲示板や個人ブログに『これはダメだろ』と思ってしまう写真掲載が散見されるからです。

 

『マナー』と非常に溶け合っている『肖像権・人格権』

理解と覚悟を持って写真に向き合うことが大切だと思っています。

 

ご自身の作品と撮影スタイルを改めて見つめ直す機会となれば幸いです。

皆様が素敵なフォトライフを送れますよう、一人の写真人として今後も精進して参ります。

 

オーゼキコーキ

 

【本日の一枚】

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DMC-G6 + 14mm F2.5